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尿路結石(尿管結石・腎結石)

尿路結石とは

尿路結石とは尿の中に含まれる物質が腎臓の中で結晶を作り、それが蛋白質などと結合したものが「尿路結石」です。
できた結石が尿の流れに沿って、腎臓から尿管、膀胱、尿道へ移動することがあり、結石のある場所によって「腎結石」、「尿管結石」、「膀胱結石」、「尿道結石」と呼ばれます。

尿路結石の症状・痛みはどれくらい?

尿路結石の症状・痛みはどれくらい?腎結石の状態では痛みはありませんが、結石が尿管に移動して詰まると左右どちらかの背中、わき腹や腰、下腹部に激しい痛みを感じるようになります。
結石による痛みは「痛みの王様」とも言われるほど激しいものですが、痛みは常に生じるわけではなく、結石のある位置などによって和らぐこともあります。
結石が膀胱まで移動すると「膀胱結石」と言われるものになりますが、その場合は頻尿や残尿感、排尿時の痛みを感じることがあります。
尿道に移動した結石は、症状なく排出される事が多いですが、結石が排出される時に尿道に不快感がある事もあります。

腎結石の症状

症状がないことが多いですが、血尿が出ることがあります。

尿管結石の症状

左右どちらかの背中、わき腹や腰、下腹部に激しい痛みを生じます。
血尿や吐き気などを認めることがあります。
また腎盂腎炎を併発した際には発熱を認めます。

膀胱結石の症状

症状がないことが多いですが、下腹部がチクチクとするような痛み、頻尿や残尿感がある事もあります。

尿道結石の症状

症状がないことが多いですが、結石が排出される時に尿道に不快感があったり血尿が出ることがあります。

このような症状が現れたら、尿路結石の可能性がありますので泌尿器科までご相談ください。

尿路結石の疫学や原因

尿路結石の疫学や原因日本において、尿路結石の患者数は1965年から2005年の40年間で、約3倍に急増しています。
原因は様々ですが、肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症など、【生活習慣病】が関連すると言われています。これは、食事や生活様式の欧米化によるところが大きいとされています。
そのほか、尿路結石の種類によっては【遺伝的な素因】がはっきりしているものもあります。

尿路結石の治療法

自然排石待機

10mm未満と、結石のサイズが小さい場合に適応となります。
痛みに対する鎮痛剤や、結石の排出を促す漢方などを内服しながら自然に結石が排出されるのを待ちます。

体外衝撃波(ESWL)

透視の機械で結石の位置を確認しながら、クッションのようなものをお腹や背中に接地させ、体の外から衝撃波を当てる事で、結石を細かく砕いて体外に排出させる治療法です。
1泊2日の短期入院や、外来通院での治療が可能です。
結石が大きい場合や、硬くて割れにくい場合などは複数回の治療が必要となる事もあります。

経尿道的尿管結石破砕術(TUL、f-TUL)

尿管鏡という細い内視鏡を尿管内に挿入し、内視鏡のモニターで直接結石を確認しながら、レーザーで結石を細かく砕いて回収する手術です。1回の手術で結石を破砕できる事が多いですが、腰椎麻酔や全身麻酔が必要となるため、数日~1週間程度の入院が必要となります。

尿路結石の予防・再発防止方法

尿路結石は再発しやすい病気です。尿路結石発症には生活習慣が関わってきます。また、結石の種類によって予防法が異なることもあるので注意が必要です。

生活習慣病の管理

尿路結石の発症には、肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症など、【生活習慣病】が関連すると言われています。バランスのとれた食生活、喫煙や過度の飲酒を控え、適度な運動を行い、これら【生活習慣病】の予防や管理をすることが大切となります。

水分を多く摂取する

水分を多くとる水分を多く摂取することで尿量が増加し、結石の種類を問わず再発予防の基本となります。
1日に2000ml以上の水分摂取を心がけましょう。特に汗をかく夏場は注意が必要です。

一定の量のカルシウムを摂取する

かつてはカルシウムを多く摂取するとカルシウム結石ができやすいとされてきましたが、一定の量のカルシウムを摂取する事が、尿の中のシュウ酸が増えることを防ぎ、カルシウム結石の再発予防には大切であることがわかりました。
日本において、結石患者さんは1日600-800mgのカルシウム摂取が推奨されています。
一般的に、牛乳や豆腐100g中には約100mgのカルシウムが含まれているので参考にしてみてください。

シュウ酸の多い食べ物は食べすぎない

シュウ酸の摂取量を減らすことは、尿路結石の再発予防につながります。そのためには、ゆでることと食べ合わせが重要となります。シュウ酸は水溶性なので、ゆでることで減らすことができます。また、カルシウムと一緒に摂取することでシュウ酸の吸収を減らすことができます。
シュウ酸が多く含まれる食材には、ほうれん草、キャベツ、レタス、ブロッコリー、サツマイモ、玉露、抹茶などがあります。

動物性たんぱく質、塩分、脂肪を摂取しすぎない

動物性たんぱく質と塩分を控えることでカルシウム結石再発予防となる報告があります。
脂肪成分を多く含む食品の摂取によって、結石再発のリスクとなる報告もあります。
その一方で、魚の脂に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)は、結石再発のリスクを下げるという報告もあります。

生活習慣病の管理も踏まえて、以上のことに気をつけた食事を心掛けましょう。