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小児泌尿器科

当院の小児泌尿器科

当院の小児泌尿器科

小児泌尿器科で診療の中心となるのは、尿路性器の先天奇形や排尿機能の発達の遅れによって現れる症状などです。この点が成人とは異なります。
代表的な病気には、以下のようなものがあります。

  • 夜尿症:夜間におしっこが漏れてしまいます。
  • 包茎:排尿困難や包皮の炎症の原因となります。
  • 膀胱尿管逆流症:腎機能障害や急性腎盂腎炎の原因となります。
  • 精巣捻転:陰嚢の痛みや腫れの原因となります。
  • 停留精巣・遊走精巣:陰嚢内に精巣を確認できない状態です。
  • 陰嚢水腫:陰嚢腫大の原因となります。

など

お子様で何か異常をお感じの際は、泌尿器科へお早めにご連絡ください。

お子さまにこのような症状・お悩みはありませんか?

お子さまにこのような症状・お悩みはありませんか?
  • おねしょが続く
  • トイレが近い
  • おしっこする時、した後に痛がる
  • おしっこが出にくい
  • おしっこが漏れる・間に合わない
  • 下腹部・背中の痛み
  • 血尿が出た
  • ペニスや陰嚢に痛み・腫れがある
  • 膀胱炎を繰り返す

小児泌尿器科で診察する疾患・症状

排尿障害

夜尿症(おねしょ)

夜尿症とは、5歳を過ぎても1ヶ月に1回以上の頻度でおねしょが起きる状態が3ヶ月以上続くものを言います。おねしょは小さい子に多いですが、通常は成長に伴って頻度が減少し5~6歳ごろにはかなり少なくなります。原因は夜間の尿量が多い多尿型、膀胱の容量が少ない膀胱型、両者がみられる混合型に分けられます。

多尿型

夜間尿量が多いのでおねしょが起こります。水分摂取量が多い、塩分の過剰摂取、抗利尿ホルモンの夜間分泌不足、ストレスなどが原因です。夕方以降の水分制限や抗利尿ホルモン剤によって治療を行います。

膀胱型

おしっこをためる、おしっこを我慢する能力が未発達なためにおねしょが起こります。昼間のおもらしの原因にもなります。膀胱訓練で膀胱の容量を増やしたり、膀胱収縮を抑制する薬、アラーム療法によって治療を行います。

混合型

その他、2つの原因を併せ持つ混合型の場合があります。

いずれの夜尿症においても、まずは生活指導や行動療法を行います。

診察では、排尿回数、尿量、夜尿の回数や量、飲水量、最大我慢量などを記録した排尿日誌をもとに、尿検査や超音波検査などの結果も参考にして重症度を判定します。高年齢で夜尿の回数や量が多い場合は重症と診断されます。
「焦らない」「怒らない」「起こさない」という原則を守り、治療を行います。お子様が安心できるような環境を整えてあげましょう。

膀胱尿管逆流症

正常では尿の流れる方向は腎臓から尿管、膀胱と一方通行です。これが何らかの原因で、おしっこをする時に尿が膀胱から尿管や腎臓に逆流する状態を膀胱尿管逆流症といいます。原因は先天性が多く、幼い頃に尿路の感染を契機に発見されます。軽度の膀胱尿管逆流症の場合は、年齢とともに自然に治癒する可能性があります。しかしながら重度の場合は、高熱を伴う腎盂腎炎が原因となり、腎機能障害や腎不全の原因となることもあります。発熱、背中や脇腹の痛み、頻尿や排尿時痛などの症状が現れたら、泌尿器科にご相談ください。

陰嚢

精巣捻転

陰嚢精巣が、それにつながる精索という管を軸に捻れて、内部の血管が締め付けられ血流が流れなくなり、そのまま放置していると精巣が壊死する病気です。夜間睡眠中、思春期に発症することが多いと言われています。突然、「きんたまが痛い」、「おなかが痛い」という訴えがあり、徐々に陰嚢が腫れて、吐き気や嘔吐を伴う事もあります。程度にもよりますが、発症後6~12時間以内に治療しないと精巣が壊死する可能性があるので、早期の診断や治療が必要となります。

精巣上体炎

精巣の後ろ側にある精巣上体が炎症を起こしている状態です。細菌感染などが原因で発症します。「きんたまが痛い」という訴えや陰嚢の腫れ、排尿時の痛みや発熱を伴う場合もあり、精巣捻転との鑑別が重要になります。

停留精巣

精巣が下降して陰嚢の中に収まらず、そけい部やお腹の中などに位置したままの状態です。生後半年頃までは自然に陰嚢の中に精巣が下降することが期待できますが、それ以降は下降が期待出来なくなります。将来の男性不妊や発がんリスクの上昇に繋がるので、1歳前後、遅くても2歳頃までに手術を行ない、精巣を陰嚢の中に下降させる必要があります。きんたまが触れない、検診で停留精巣疑いを指摘された際は、お気軽に泌尿器科までご相談ください。

遊走精巣

精巣が陰嚢の中から動きやすく、陰嚢とそけい部を行ったり来たりする状態です。お風呂などで体が温まっている時や、リラックスしている時などは精巣は陰嚢の中に下降します。遊走精巣の場合は停留精巣と違い、ほとんどの場合が経過観察で良いと言われています。

陰茎

包茎

包皮をむいて亀頭を露出できない状態です。幼い頃は包茎の状態が正常で成長によって解消します。何度も感染を繰り返す時は治療が必要となることもありますが、包皮がむけていないというだけで手術などの治療は必要ありません。お子さんが包茎でご不安な方は一度泌尿器科にご相談ください。

亀頭包皮炎

おちんちんの先が赤く腫れ、痛みや包皮から膿が出ることがあります。
抗菌薬の内服や軟膏によって数日で改善します。

尿道下裂

尿道の出口がペニスの先端以外の場所にある、先天的な形態異常です。
おしっこが出る位置がおかしい、まっすぐに出ないなどに気づいたら、泌尿器科を受診しましょう。